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『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督にコメントいただきました!

本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした、話題沸騰の映画『ドライブ・マイ・カー』が8月20日(金)の公開日からUDCastに対応、字幕・音声ガイドでお楽しみいただけます。

https://udcast.net/workslist/dmc/

『ドライブ・マイ・カー』ポスタービジュアル
(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けた濱口竜介監督。このたび、バリアフリー版の制作にご参加いただき、とても素敵なコメントをいただきましたのでご紹介します。

『寝ても覚めても』以来、2度めの自作バリアフリー版作成に立ち会う機会をいただきました。今回も、視覚障害者の方や、聴覚障害者の方の参加する「モニター会」で音声ガイドと字幕それぞれの表現がブラッシュアップされていくプロセスに立ち会うことで、自作をまったく新たに体験し直したような感覚を得ました。

映像や音声を翻訳することは、もちろんとても困難なことですが、限られた条件のなかで観客がいかにそれぞれのバージョンを深く味わうことが可能になるのか表現を研ぎ澄ませていく、パラブラの皆さんの匠の技術につくづく感心しつつ、それ以上に映画を観客にでき得る限りそのまま受け渡そうと試行錯誤する姿勢に毎度心を打たれます。

2時間59分の映画ですが、どちらのバージョンを見たモニターの方たちの感想も「全然時間を感じなかった」というものでした。これは実際に健聴者や晴眼の方たちからも出てくる感想で、このような共通の感想が生まれてくること自体が、本作のバリアフリー版がいかに精緻に、誠実につくられているかということの証です。このバリアフリー版は、本作の魅力と密度を十分に伝えてくれるものだと感じています。

バリアフリー版作成に立ち会うことは自分にとっては、視覚障害や聴覚障害の世界を障害というよりは「異文化」として捉え直し、普段の自分の外界との接し方を見直す機会になります。この体験によって得られる世界観の編み直しのような感覚は、言葉を選ばずに言えば私にとってとても面白く、興奮さえするようなものです。今後も可能な限り自作のバリアフリー版をつくりたいという気持ちを強くしています。

『ドライブ・マイ・カー』バリアフリー版、お楽しみいただけたら幸いです。
濱口竜介

ぜひ本作をバリアフリー版でお楽しみください。

原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」 (短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介 大江崇允 音楽:石橋英子
製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント 配給:ビターズ・エンド 

(C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021/日本/1.85:1/179分/PG-12
公式サイト dmc.bitters.co.jp

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